2015/07/28 更新後遺障害

硬性補装具を必要とする下肢の荷重障害

横浜地裁 平成27年1月22日判決

自保ジャーナル1944号

今回は、自賠責12級認定の左下肢障害を常に硬性補装具を必要とする歩行障害等から8級後遺障害と認めた裁判例をご紹介します。

原告は、本件事故により左踵部に荷重障害を負い(疼痛が生じるため左踵部に荷重をかけることができない)、常に硬性補装具を必要とする状態でした。そこで、原告は、常に硬性補装具を必要とする下肢の動揺関節に準じて、原告の荷重障害は後遺障害等級8級に相当すると主張しました。

これに対して、相手方は、後遺障害等級8級7号の機能障害は、動揺関節や偽関節等により、荷重支持性を失った状態に対して認定されるものであるところ、原告の左足の関節組織自体は何ら外傷を負っていないこと等から、後遺障害等級8級に相当するとはいえない。原告の症状は荷重時の疼痛であり、局部の神経症状として評価して、後遺障害等級12級13号に相当すると主張しました。

裁判所は、上記の点について、次のように判断しました。

  1. 硬性補装具を必要とする下肢の荷重障害は、後遺障害等級表に規定する後遺障害には直接該当しないものの、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害として取り扱うべき。
  2. 下肢の動揺関節については、それが他動的なものであると、自動的なものであるとにかかわらず、常に硬性補装具を必要とするものを後遺障害等級表8級に準ずる機能障害として取り扱うべきこととされている。
  3. 原告の荷重障害は、常に硬性補装具を必要とする歩行障害をもたらす点で動揺関節の後遺障害と同様といえるから、後遺障害等級表8級に相当する機能障害と認められる。

この裁判例では、荷重障害の8級相当と醜状障害の12級相当を併合して、併合7級後遺障害が認定されています。

等級が1つ重くなるだけでも賠償金額が大幅に増額するため、適切な後遺障害等級を認定してもらうことが重要です。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。